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この時期、羊蹄方面へ出かけると、何となく気になるきのこがある。
気にはなるのだけど、この手のきのこはさっぱりわからない。

時折、マツのさわやかな香りがして、苦味は全くない。
最初マツバハリタケではないのか・・・なんて思った。
でも、マツバハリタケを知る人から即座に「違う」と言われた。
かさ肉は淡黄白色で裏面は最初類白色から次第に灰褐色に変わっていく。
下のかさ表面の写真はひび割れて鱗片があるようにも見えるけど
鱗片は見られないので、たぶんSarcodonとも違うように思う。
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スイスの菌類図鑑を見るとHydnellum spongiosipesというのに似ている。
スイスの菌類図鑑にこの科のきのこのシスチジアはすべて「Cystidia not seen」と記載されている。
日本新菌類図鑑を見ても、シスチジアのことは全く書かれていないので
たぶん、ハリの先端に見えるものはシスチジアといわず、Marginal cellsとかの類なんだろうかと
思ったら、池田図鑑にはこの科の種にシスチジアとして記載がある。
でも、下のはシスチジアと言わないんだろうな・・・。
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下は組織を見たときに見えた胞子群
「そっかー、胞子がこんなにイボイボだから、イボタケ科なんだぁ」と
一人で納得していた。
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胞子サイズは20個くらいしか計ってないので、実際はもう少し幅がありそう。
何なのか、さっぱりわからんきのこ。
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古いシイタケのホダ木から、今年もコゲチャベニヒダタケが出ていた。
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下の写真は3年前に撮っていて、上の写真より小さく1~2cmくらいのもの。
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たぶん、コゲチャベニヒダタケだろうと思いながら確かではなかったので
調べてみることにした。
下の写真は、胞子と担子器。
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したの写真は縁シスチジアと側シスチジア。
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下はかさシスチジア
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柄シスチジアは見ていないけれど、円柱状のかさシスチジアはこのきのこの特徴とも言えるんじゃないかと思う。コゲチャベニヒダタケの記載(http://www7a.biglobe.ne.jp/~har-takah/)とおおむね一致するのではないだろうか。
これまで、かさ表面がどうも違うように見えて確信は持てなかったけど、ちょこっとスッキリ。
 ヒダの縁の切片をつくり、組織をバラしてみると
縁シスチジアがあった。
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前回掲載したEntolomaは
Entoloma  testaceumで良いのだろうと思う。

このところ、いい状態で雨が降っている。
先日、ルスツにあるアカエゾマツ林でEntolomaが群生しているのに出会った。
枝払いされた落枝が集められたような場所(たぶん200mくらいは続いている)
に、下の写真の状態で発生しているのがいたるところで見られた。
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下は若い状態
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柄は非常にもろくそっと抜き取るようにしなければ、すぐにつぶれてしまう
このきのこも結局は分からず仕舞いだろうか
そんなことを思いながら2~30本採取した。
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下は胞子とかさ表皮
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シスチジアはない
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最初、Entoloma pallescensかと思われた。
しかし、柄の色からEntoloma testaceumというのによく似ている。
E. testaceumには縁シスチジアがあり
何度か切片を作ってみたけれど、それらしいものが見当たらない。
いや・・・見つけられないだけかもしれない。

ブツ撮りした後、子実体は胞子紋を取る小片以外
車の中は暑くなり、乾燥標本になるかなと車の中に入れておいた。
でも時々曇ったりし、どうかな・・・と心配。そしてその翌日は雨。
案の定腐敗し、胞子紋を取った後の小片は虫食いが酷くなり捨ててしまった。
やっぱり、乾燥標本は乾燥機(私は布団乾燥機を使っている)
で真面目に乾燥させなくちゃイカンなぁ・・・。
また、もう一度採集しに行ってこなくちゃ・・・
そんなわけで
E. pallescensかE. testaceumか、或はそのあたりのきのこか
詰められずにいる。

下のきのこは、たぶんMycenaだろうと思う。
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最初、何科だろうかと分からなかった。
胞子紋は白。Collybiaかもと思ったけれど胞子はアミロイド。
サイズは8.6-14.5×5.8-7.9μm(n=50)
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ヒダを10倍ルーペで覗くと、なにやら表面にプチプチと見え
側シスチジアがあることが推測できた。
顕微鏡で覗いてみると、大きなシスチジアが見えた。
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縁シスチジアはサイズが半分くらいで同形。
(6/8訂正・・・組織をバラしてみると、縁には色んな形のシスチジアが存在していて
同形ではなかった↓)
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かさ表皮の菌糸は匍匐性。
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おそらく・・・Mycenaだろう・・・と
それ以上は分からない。


上の本は、6月25日発売予定の「きのこの下には 死体が眠る!?」吹春俊光著。
いち早く入手することができ、読んだ。
なるほどー、へぇ~と思うことが随所にあって、一言でいうと面白い。
例えば
「傘を支えるものは柄と称し、植物ではないので茎とよばないのが約束である。」p.59
「ハラタケ目のカブラマツタケ属は、一見単体のきのこに見えるのだが、テングタケ属やコガネタケ等のほかの菌に寄生し、子実体発生させる寄生生の属であろうといわれている。」p.69
「南方熊楠が動物に近いと直感で感じた変形菌類は、現在の分子系統による解析の結果、原生動物であることが判明し、現在では菌類とは類縁のまったく異なった生物と認識されるに至った。」p.82
他にも
ナラタケがツチアケビに寄生していると思われていたけれど、実はナラタケの菌子束を利用すべくツチアケビがナラタケを誘引している・・・など、アンモニア菌にとどまらず色んなことに触れていて、私は「へぇ~、へぇ~」と思いながら読んだ。
ぜひお勧めの一冊。
30・31日の両日、茨城へ行ってきた。
シイの木がない北海道では、カンゾウタケが見られない。
タブノキもないので、マユハキタケも見られない。
そんな私をA井さんが案内してくださり
カンゾウタケとマユハキタケを見ることができた。
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カンゾウタケは聞きしに勝る「血の滴るお肉」。手に汁がつくと、まるで怪我でもしているかのように
手に血がついているといった感じで、切るときもお肉を切っているようだった。
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お皿にスライスしたものを並べると
これは絶対お肉と間違える。
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A井さんによると、これは未成熟で本来は酸味と甘味があるそう。
酸味は感じられるものの、甘味は全く感じられず、ボケた味。
マヨネーズを付けて食べた。
子実体の形は硬いタコウ菌のイメージがあるけど、肉は柔らかい。
不思議なきのこという印象。

鹿島神社の境内では鳥居をくぐるとすぐに、古く大きなタブノキがあって
タブの木はご神木にされる木とあって、なるほど風情のある立派な木がそびえていた。
その木の根をたどると、数ミリのマユハキタケの幼菌がいくつもついていた。
境内はかなり広く,神社の敷地面積はこれまで知っている神社の比にはならないほど。
散策路脇にタブノキの腐朽倒木があって、その腐朽倒木に
かのマユハキタケの形態をした子実体が見つかった。
図鑑で写真を見ると、小指くらいの大きさなんだろうかと想像したこともあったけど
その後、もっと小さいものだと聞いていて想像はしていた。
けれど、その想像よりもっともっと小さく1~2cmくらい。
これがそうなんだ・・・とまじまじと見た。
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カンゾウタケやマユハキタケは
樹木を変えて、北国に出ることはないんだろうか・・・と思いながら
北海道で見られないきのこを見ることが出来て感激。
お世話になりましたA井さんをはじめ、奥様、G藤さん、K谷さん
ありがとうございました。

 アカエゾマツ林を歩いていて、何故このきのこが此処にあるのだろうと、数本発生しているEntolomaに目がとまった。
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20m先には、シラカバ・ハンノキ・カエデの仲間が混生した広葉樹林がある。
近くにバラ科の草本がないだろうか見てみたけど、見当たらない。
広葉樹林の方へ近づくと、同じきのこがポツポツと発生していた。
どうやら広葉樹の根は、アカエゾマツ林の内部の方まで伸びているらしい。

家に帰ってきて、グアヤクチンキで反応を試してみた。
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数秒で青変し、「速やか」といって良いと思う。
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傘表皮を見ると
先日レオピーさんから預かって見たものと、どうも様子が違う。
ハルシメジ節のきのこではないらしい。
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E.subradiatumの可能性もある・・・と思ったのだけど
胞子を見て見ると
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胞子はisodiametric(類球形)。E.subradiatumはsubisodiametricで
胞子の形態からして違っている。
となると、E.seriseumか?
しかし、E.seriseumの胞子サイズは7.4-11×6.8-9.4μm。
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担子器はいくつも計っていないので判らないけれど30μm前後でクランプがある。
う~ん、
いったいなんだ?

きのう、北海道きのこの会の役員会に出かけてきた。
時間の合間に、N氏からアネモネタマチャワンタケだろうかと
生のきのこを見せていただいた。フクジュソウの近くから発生していたそうだ。

これまで
アネモネタマチャワンタケだろうと思っていた種は、いずれも托外皮層が類球形細胞で構成されていた。
日本の図鑑に載っているアネモネタマチャワンタケの学名はDumontinia tuberosa。
Dumontinia属の托外皮層はレンガを積み重ねたような長方形の細胞らしい。
N氏から預かった子実体を検鏡してみると、やはり類球形細胞だった。
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スイスの菌類図鑑を見ると、学名はSclerotinia tuberosaになっている。
Sclerotinia属の托外皮層は類球形細胞で、
Sclerotinia tuberosaなら、これまで見てきたアネモネタマチャワンタケ類似種は
アネモネタマチャワンタケとしてよさそう。
だけど、Index Fngorumをみると、正式名称はDumontinia tuberosaになっている。
たぶん、本物のアネモネタマチャワンタケは
どこかでひっそりと発生しているのかもしれない。

北海道は、そろそろ田植えの時期で、数日前から田んぼに水が張られている。
役員会の帰り道、田んぼに夕陽が映りとっても綺麗で、思わず車を止め写真を撮った。
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30日、実家へ行く途中羊蹄自然公園の一角に足を踏み入れてみた。
数日前の寒波のせいか、思いのほか残雪が多かった。
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気が早かったと思いながら、雪の解けている地面を見てみた。
数年前、このような状態でもいくつかのDiscina leucoxanthaは見つけられた。
今年はどうだろうか探してみると
やっと1個見つけた。
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林内の雪がすっかり解けるのは中旬頃だろうか
今年も、数個しか出ていない可能性が強い・・・と思いながら
たぶん子嚢もまだ出来ていないだろうその子実体は採集するわけにも行かず、
そのままにしてきた。

そのほかは、エナガクロチャワンタケ
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傘と柄のあるきのこに出会えるのはもっと先か?と思っていると
マツカサキノコが出始めていた。
アカエゾマツ林内のアカエゾマツの球果から出ていたので
マツカサキノコだろうと思う。
(アカエゾマツはトウヒ属)
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羊蹄山麓は、やはり5月下旬頃のほうが面白いかな?
4月中の探索は、止めて正解・・・とあらためて思った。
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