きのこメモ Discina leucoxantha 忍者ブログ
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昨日、羊蹄山麓へ行って来た。
034.jpg
上の写真を撮った後、5分もしないうちに山は雲で見えなくなってしまい
ポツポツと雨が降り出してきた。残念ながら、昨日は羊蹄山を撮ったあと
カメラを出すことはなかった。

雨の中、フィールドとしているアカエゾマツ林へいきDiscina leucoxanthaを見てきた。
D. leucoxanthaは幼菌の黄色っぽい状態から、やや褐色になっていた。
何個か採取してきた。
  このきのこは、成熟するまでにかなりの時間を要し、成熟した後はあっという間に腐敗してしまうように思う。
乾燥標本を作ろうとして、幼菌の状態で乾燥してしまうと胞子の観察が出来ないので
突起のある胞子が出来るまで待っていると、子実体はすでに腐敗し始めている。
そんなこんなで、標本をこれまでに作ることができなかった。
今年はなんとか乾燥標本を作成しておきたい。
たぶん、国内では平塚の博物館以外に標本はないと思うので
標本を博物館に収めておきたい。

以前、このきのこを調べているときに
Index fungorumを見て、Gyromitra leucoxanthaになっていて
Discina leucoxanthaはシノニムになっていることには気が付いていた。
たぶん、分子系統的にはフクロシトネタケよりもシャグマアミガサタケに近いから
Gyromitra属なんだろうけども、胞子に突起のあるD.leucoxanthaやD. gigas(オオシャグマタケ)がなぜGyromitra属か・・・と気分的に不服だった。
そんなんで、突起のある胞子を持つD. leucoxanthaやD. gigasは
ずっとDiscina属にしていた。
しかし、O前さんから「シノニムですよ~」と言われ
やはり新しい分類に逆らうことは出来ないのかな・・・とチラッと思った。

それはさておき
なぜ何年も前からこのきのこが気になっているのかといえば
平塚の博物館に収められている目録にDiscina convoluta(=D. leucoxantha) の図(下)が載っていて
これまでその図のような胞子を散見することができなかった。
2.JPG
下は5年前、採取したD. leucoxanthaの胞子写真
5ad13a6d.jpeg

しかし、今年、下の胞子形態を確認することが出来た。
(腐りかけの子実体で、バクテリアだらけ)
9ae85f8a.jpeg
09d0c5de.jpeg
このような胞子形態であれば
D. convolutaの胞子図と似てなくもない。

これは、成熟すれば突起はもっと小さくなり、
5年前に撮った写真の胞子の形態になるのであって
D. convolutaの胞子図はもしかしたら胞子の完全体ではないのではないか
そんなことを思わされている。
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